フロントページ   »  2012年08月18日


 世界文化遺産であるバーミヤンの巨大石仏は、顔の部分が崩落して無くなっていた。
 その姿を見ると、三次元世界における「自分自身」の本当の外見というのは、ちょうどこんな様子なのだろなと思った。

 ダグラス・ハーディングの「The Headless Way」は、私たちには本当は頭が無いことを説いている。
 実際に、自分の身体の各所を見回しながら、純粋に感じてみると、「見る」という行為の出発点である頭の前の部分は、ぽっかり空になった透明な空間であることが認識できる。
 「いいや、ここには顔があるはずだ」という後付の知識を介入させない限り、認識している実感に疑いの余地はない。

 他人や鏡に映る像には、頭も顔も付いているのに、見ている当事者の「自分自身」にはそれが無い。

 その顔の無い状態の姿が、もし外側からリアルに見えたとすれば、ちょうどあのバーミヤンの石仏のようになるだろう。
 消えている顔の部分だけが、真実の次元に存在している。そして目に見える身体と周りの世界はすべて、この三次元世界の幻想の産物だ。


 たとえとしてかなり違うかもしれないけど、以前ある輸入車販売店を訪ねたときのこと。高級車種のオープンカーの価格が、屋根のある同じ車種よりも200万円も高いことに驚いたことがある。
 車体の上のスカッと開いた何も無い空間に、国産車まるまる1台分くらいの経済的価値が乗っかっているというわけだ。

 物質的にゼロのところに、価値がある――。


 バーミヤンの石仏は2001年にタリバンによって爆破され、現在では全身が無くなってしまっている。
 人類より一足先に、非物質の次元に行かれたのかな…。

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プロフィル

Koudai Mitsuna

Author:Koudai Mitsuna
 
光奈 広大(みつな・こうだい)

 20年のあまりのサラリーマン生活を経て、いわゆる「ザ・マネーゲーム」を何とか卒業。今では束縛されない自由な日々を存分に味わっています!

 そうした中で心がけているのは、普通の日常的な行いを通じて、意識の進化を目指す「カルマ・ヨガ」。

 日々の喜びや学び、インスピレーションから得たスピリチュアルな気付きなどをブログで紹介しています。

 妻子と都内在住――。

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