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 伊豆諸島の「八丈島」は、日本に数ある離島の中でも、かなり有名なところでしょう。僕も一度、家族旅行で訪れたことがあります。
 東京都心からは名古屋と同じくらい離れているのだけど、羽田空港から50分で着くし、住所も東京都なので島を走る車は「品川」ナンバーだ。

 島は、「八丈富士」と「三原山」の2つの火山が連なってできていて、全体がちょうど「ひょうたん島」の格好をしている。

 その2つの山は、上の写真を見て少し分かるかもしれないけど、同じ島でありながら、自然の様相がかなり異なっている――。

 「三原山」のほうは、ジャングルのような鬱蒼とした森林が生い茂り、深い渓谷がいくつも複雑に刻まれ、沢には水がザーザー流れている。
 山の中には大きな滝や、湿地帯もある。

 一方の「八丈富士」のほうは、その名の通りきれいな円錐形をしていて、高い木は生えておらず、なめらかな山肌には水の流れる川は存在しない。
 眺望は広々とした牧場のようで素敵だけど、水資源が非常に乏しいだけに、人や生き物が暮らすには大変だろうと思う…。

 どうしてそんな違いがあるのかというと、2つの山は「古さ」がまったく異なるからだ。

 三原山ができたのは「10万年前」で、八丈富士のほうは「1万年前」。
 1万年前でも相当な昔のように思えるけど、山としては新しいものだそうだ。

 日本の山といえば、森があって谷に水が流れているのが当たり前に思えるけど――、
 そこに風雨によって谷や川が作られ、山肌を覆う木々が生い茂り、豊かな水をたたえる地になるまでには、1万年ではぜんぜん足りなくて、何万年もの「年期」を重ねる必要があるわけだ。


 で、八丈島はそのような「古さの違う2つの山」でできているわけだけど――、
 私たち人間の身体にも、それと似たような構造を見いだすことができる。

 そのひとつが、「脚」と「腕」の骨格だ。

 まず下半身の「脚」については、人間が直立二足歩行を始めたおよそ「500万年前」に、こうした形になった。
 これもとてつもない太古の昔としか思えないけれど、生命の歴史や進化の尺度では、「まだ間もないこと」と言える。


 リリース間もない新製品には、色んな不具合が付きものであるように――、直立二足歩行の構造もまだまだ完全なものではない。

 たとえば、過去記事でも書いたことがあるけど、僕は朝のランニングをするようになって膝が痛むようになった。
 一般に「ランナーズ・ニー」と呼ばれる、「腸脛靭帯摩擦症候群」というものだ。

 これは、走るときに脚を曲げ伸ばしするたびに、ももの靭帯が骨のでっぱりにこすれて炎症を起こす、というメカニズム。
 ふつうに走っているだけで症状を引き起こしてしまう、まさしく「構造上の不具合」であるわけだ…。

 本当に人間だからまだいいものの、もしチーターとかインパラとかだったら「命にかかわる欠陥」といえる。
 開発したメーカーに、苦情の電話の一本でも入れたいくらいだ。


 ほかに「腰痛」や「立ちくらみ」なども、二足歩行ゆえの弊害の部分である。

 そしてその最大級のものが、「産みの苦しみ」だろう。
 安産祈願で有名な東京・水天宮には犬の像が置かれているように、四足歩行の動物は、人間に比べ格段にお産が軽い。

 人間のお産は母親にとってもちろん大変なことだし、生まれてくる赤ちゃんのほうも、狭い産道をくぐり抜けることによる「バース・トラウマ」なんてものを抱えることになったわけだ…。


 一方、上半身の「腕」の骨格のほうは、歴史がもっともっと古い。
 その構造は、霊長類が樹上生活に適応した「5000万年以上前」に作られたものだ。

 脚にくらべ、10倍以上もの年期の差があるわけで、「リリース間もない新製品」と「改良を尽くした定番製品」くらいの完成度の違いと言っていいかもしれない。


 で、その腕の骨格というのは、実はかなり複雑な作りになっている。

 ここでひとつ質問だけど、腕の骨は、どこで胴体とつながっているでしょうか?――


 ふつうに考えれば、腕の付け根である肩のあたりだと思うでしょう。

 答えは…
 腕の骨はまず肩のところで「肩甲骨」につながっている。
 ところがその肩甲骨は、胴体には直接つながっていない。

 肩甲骨は「鎖骨」につながっていて、その鎖骨が、図の赤丸のところで、胴体の骨につながっている。

 つまり、腕の骨が胴体につながっている場所というのは、なんと「首の下あたり」ということだ。


 意外に思えるし、どうしてそんなややこしい構造をしているのかと言うと、それによって腕の「可動域」が格段に広がるからだ。

 たとえば、腕が胴体に直接つながった構造のこの有名なロボットの場合――、映画を見て分かる通り、腕を高く上げることができない。
 せいぜい肩から下の範囲で、小刻みに手振りをする程度だ。
 もちろん彼に樹上生活など、とても不可能である…。


 他方、樹上で生きる霊長類の流れをくむ、私たちの腕はというと――
 その骨格の動きを、わざわざCGで描いた動画がありました。
 この複雑な構造によって、どれだけ広い範囲の動きが可能であるのかが一目瞭然です!



 いつも何も思わずに動かしているけど、心底から感心させられるくらい、本当によく出来ていますよね…。


 今回はちょっと極端な見方で、もちろん人間の脚だってものすごく精巧な作りになっていることに違いはない。

 ただ、足腰に見られる「構造的な不具合」のようなものは、肩や腕の場合はほとんどないですよね(「肩こり」や「四十肩」は姿勢や運動不足の問題だし…)

 そうした完成度が、「歴史の差」の現れなのかな、とも感じます。


 そして最後にもう一つ、年期の違う古いものと新しいものが「ひょうたん島」的につながってできているのが――、

 ほかならぬ、私たちの「脳」である。


 私たちの脳は、その中核に脳幹がある。
 「爬虫類脳」ともいわれる、原初の脳の部分で、ここは生命の維持や、危険をとっさに避けるなどの反射行動を担っている。

 脳幹のまわりの中間部分は、大脳辺縁系というのが覆っていて、これは「哺乳類脳」とも呼ばれる。
 この部分は、本能や感情をつかさどっている。

 そして最も外側にある大脳新皮質は「人間脳」といい、理性や論理的思考を動かしている部分だ。


 私たち人間の脳は、進化に伴ってどんどん大型化・高度化してきたわけだけど――、
 それは原初の脳から次々に外側に付け足していく形で、「増築」されていったと言えるわけだ。


 で、爬虫類脳には実に「2億年以上」もの歴史があり、かたや人間脳が大きくなったのは「250万年前」である。
 キャリアとして実に100倍もの開きがあるわけだ。

 生物学的に適切な解釈ではないかもしれないけど…、人間脳というのはものすごく高度なものの、ソフトウェアで言えばまだ「実地テスト中のβ版」くらいの状況なのかもしれないです。
 頭の中が思考の雑音でうるさかったり、止まらず暴走してしまうのも、分かるような気がする…。


 もちろん、それぞれの脳は役割が違うし、爬虫類脳で言葉をしゃべったり思考活動することはできない。
 ただ、突然ひらめくインスピレーションや、直感的な判断は、実は爬虫類脳から来るものだともよく言われる。

 そうした直感が浮かんでも、人間脳で理性的にあれこれと考え込んだ結果、直感とは違う選択をすることは誰でも普通よくあるだろう。


 どちらの判断が正解とまでは当然いえないものの――
 私たちは「爬虫類脳」と「人間脳」が連なった構造の頭で世界をとらえ、判断しているということ、そして爬虫類脳のほうは人間脳の100倍もの歴史があること――

 そのあたりをふまえて、「直感」をもっと尊重して信じてみるのもいいかもしれないですね!



 結びのヒーリング・ミュージックは、Dreamscape「I Hope U Feel Well」。

  ☞ コメント:20

 
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コメント
7332
むふふふふ・・・
四つん這いで産むと、楽に産めます。仰向けで産むのは効率が悪いのですよ、処置しやすいんだろけど。って、話しがちがーう??!!

7333
りこ・ディーン様

 こんにちは!

 へーっ、そんな体勢のお産があるとは知りませんでした。
 理にかなっているような…。でも、犬とか馬とか四足歩行の動物も、出産のときは横に寝ころびますよね。

 猿はどうなのだろう? 確かに仰向けはなさそう…。

7334
広大さんの視点って、めっちゃ面白~い!
医学界において、21世紀は『脳の時代』と言われていましたが、私が解剖、生理学を学んでいた20年ほど前でも、脳の機能については殆ど解明されていませんでした。

例えば瞑想時にパルスの起点となるポイント(尾てい骨の先端)にあるホルモン分泌器官や、側頭部にある松果体(ホルモン分泌)、第三の目(ツボで言うと『印堂』)などについて、阪大の教授を質問攻めにしましたが、まったく未開の分野だと嘆いていました。(私はそれが知りたくて入学したのに、教科書も白紙ページばかり…)

ある医師が、人間脳の100倍もの歴史がある爬虫類脳の役割を研究し、広大さんのおっしゃる“インスピレーションや、直感的な判断”の源だから、ストレスを生じやすい人は『人間脳』を休ませ、『爬虫類脳』を活用すべし……みたいなことを発表し、当時は一人で苦笑いしたものです。

そんなぁ……肝心な、その方法論を書かんでどうすんの?

私の個人的な研究と体験によると、
チャクラを活用することが『爬虫類脳』を蘇らせることに繋がります。

七つのチャクラは、365穴あるツボの基地みたいなもの。

まず、尾てい骨の先端から発したパルスが『臍下丹田(第二のチャクラ)』に至り、それから腰の裏にある『命門』に至り、背骨を上昇して王冠のチャクラ(第七のチャクラ『百会』)に至り、人のメンタル体が抜けていきます。

250万年、進化し続けた『ひょうたん島的な人の脳』を意識すれば、誰にでも『ある種の覚睡』が起きると思います。

その方法は……。
瞑想スタイルでもいいですが、とくにこだわらず……。

●ぼ~と、な~んにも考えない時間を持つこと。(空や雲、 海、緑などを眺めながら)
●眠りに入る前に、壁や天井、暗闇、視界の中の模様などと
 同化するような時間を楽しむこと(忙しい人向け)
 
時にはですが……『爬虫類脳』を活用すれば、ストレスの原因(批評判断メカニズム、焦燥感、不条理など)から遠ざかり、『直観』を大切にできると思います。

実際、生きるということは、『顕在意識VS直感の攻防』
くらいに、私は思っています。

人体…私の大好きな分野がテーマで、面白かったです。
人体の『ミクロの戦士軍団』などを研究すると、宇宙の構図にそっくりで涙があふれます。

7336
新しいほうの脳は、実地テスト中。納得しました。
不具合は当然起きますよね。

脳に限らず、すべての肉体も進化中。何だか楽しくなりますね。



7337
お産・・・その2
いとこの牛舎で、牛のお産を見た事ありますけど、立ったままですよ。見た事ないでしょ?都会ではなかなかそんな機会はないかな。

7338
風子様

 こんにちは!

 「ふつうのオバちゃん」とおっしゃりながら、実はすごい勉強をなさってたのですね…。

 最近は脳科学の分野でも「脳はコンピューターではなく、通信機のようなもの」という表現がされることがあります。
 おそらく爬虫類脳は、「ものすごく高感度な通信機」なのでしょう。

 「ぼーっと何も考えない時間」によって、その通信機が作動するのかもしれないです。
 そして、意識を広げて視界全体と「同化」することで、通信機のアンテナが広がるのでしょう。

7339
あおむし様

 こんにちは!

 肉体ばかりか、魂も進化中なのでしょう。

 「真の私」に戻ることが私たちの生のゴールでもありますけど――、
 「真の私」はその経験によって、さらなるシフトを目指そうとしているのだと思います。

7341
りこ・ディーン様

 こんにちは!

 そういえば、野生のゾウやキリンも、立ったままで出産しますよね。

7342
進化も退化も含めて、今の自分達の身体はこれまでの永い歴史の中で造られたものなのかもしれませんね。そして、現在の自分達の思いや葛藤が形を変えてこれからの世代に引き継いでいくのでしょうか。

7344
tetsuboy様

 こんにちは!

 生命の進化は、長い時間をかけてゆっくり進行するのだとダーウィンも唱えていたのですが――、でも地球史の重要なポイントで、劇的な飛躍が起きたりもしているんですよね。

 当事者とは違う意思が働いているようにしか思えないこともあります。

7346
リリース間もない新製品、開発メーカーに苦情を入れたいくらいの欠陥(笑)
人体は本当〜にすごいですね、「私なんて生きる価値ない、死にたい…」なんて考えたら、私の中の人間脳以外はいっせいに「どこがやねん、なんでやねん!」と突っ込むでしょうね(笑)

7347
ruri様

 こんにちは!

 確かに「生きる価値がない、死にたい」といった気持ちは、人間脳だけが起こす「逆走」でしょうね。


 あと、これは脳全体の話かもしれませんが――、喫煙のとき、肺は「こんな毒物を吸い込んではいけない!」と咳き込むのに、脳は「あぁ、タバコがうまいっ」となる。

 多量飲酒も、内臓は「もう勘弁してくれー」と拒絶しても、脳だけが「もっと欲しい、もっと飲みたい!」となる。

 内臓と脳と、どっちが賢いのだか…、ですよね。

7348
勉強になりました<(_ _)>
自分も骨格とかには興味あったのですが・・・大変解り易い解説ありがとうございました。よそで、蘊蓄として語らせて頂きます(笑)

7349
お産
基本的に牛のお産は寝っ転がってします。親牛の事情によって立ったままもありますが。

7350
光奈さん、こんにちは。

暴飲暴食などで体調が悪くなったら、
薬に頼らず食べなければいいのに。お酒を飲まなければいいのに。
胃腸薬のテレビCMを見ていると、いつもそう思います(笑)。

風邪を引いたら食べないで治す主義の(というか食べられなくなる)私。
風邪を引いたら食べて治す主義だった両親。
70代半ば、両親はガンを宣告されたわけですが、さて私は・・・。

父は大の酒好き、タバコは死ぬほど(笑)好きでした。
母も若い頃からの喫煙者。去年の胃ガン手術をきっかけに喫煙できました。
私は生まれて1度もタバコを吸ったことがありませんが、
子供の頃からの受動喫煙者です。昔の職場は禁煙ではなかったですし。

父の10歳年下だった母は父の晩年の行動に色々文句を言っていましたが、
今は父と行動が似ています(笑)。
私も将来は同じ行動を取るのかどうか、興味津々です。

進化した身体は老いがなくなるのか、あるいは老いを感じなくなるのか。
老いや病気の経験もまたこの世の大切なレッスンなのでしょうけど。

7353
十字野郎様

 コメントを有難うございます!
 薀蓄をどんどん語ってやってください。

 今回の話題に関連して――
 日本人の足の骨は、指の関節が1つ少ないって、ご存じでしょうか?
http://mitsunakoudai.blog.fc2.com/blog-entry-316.html

7354
koyuki2526様

 ありがとうございます。
 ネットで写真を見ると、ほぼ寝転がったものばかりですね。

 一方、牛の仲間のアフリカにいるヌーは、立ち姿勢で出産するようです。
 家畜と野生の違いというのも、あるのかもしれないです。

7355
あおむし様

 こんにちは!

 病気を持ちながらも「幸せ」と言う人は素晴らしいなと感じます。

 健康や豊かさは「~だから幸せ」になりますが、病気などは「~だけど幸せ」ということを知る機会なのでしょう。
 両者には、本当に大きな違いがあると思います。

7392
読んでるうちに、自我意識というものが急にアホみたいに思えました。自分って、そんな確たるものじゃあないんですね。
病気だって、そりゃなるわーという。。人って思っていたより、ずっと不完全で、確かでなく、だからこその、人なんでしょうね。
人ってなんだか変な存在ですよね。
なんだか妙に愛着が湧いてきたような気分です。

7394
うり様

 こんにちは!

 「自分は確たるものではない」という気づきほど、大事なことはないと思います。

 そのうえで、自らを「いとおしむ」のは素敵なことですし、逆に完全に「見切ってしまう」のも道です。

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プロフィル

Koudai Mitsuna

Author:Koudai Mitsuna
 
光奈 広大(みつな・こうだい)

 20年のあまりのサラリーマン生活を経て、いわゆる「ザ・マネーゲーム」を何とか卒業。今では束縛されない自由な日々を存分に味わっています!

 そうした中で心がけているのは、普通の日常的な行いを通じて、意識の進化を目指す「カルマ・ヨガ」。

 日々の喜びや学び、インスピレーションから得たスピリチュアルな気付きなどをブログで紹介しています。

 妻子と都内在住――。

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